私は病院に行きます。くしゃみが止まらないのです。
医者は私の話をうわの空で聞きながら、触診も検査も行わないまま面倒くさそうに風邪薬を処方します。そして私が聞いてもいないのに自分の風邪の予防策と、最新の治療方法について説明を始めました。
私は怒り心頭です。なぜなら私は熱もなく、単に花粉症の症状に悩んで病院に来たのですから。
早々に席を立ちたい気持ちです。いや、私はもう席を立ったかも知れません。
こんな医者、おそらくいませんよね。しっかり話も聞かず、診断もせずに処方箋を書く医者はいないはずです。
いたとしても、そんな医者に診てもらおうとする患者はいないでしょう。私も今回は通う病院を間違えたと思い、今後は二度と行かないはずです。
しかし、私たちのコミュニケーションはどうだろうか?と書籍は問いかけます。
この医者のように、人の話をろくに聞かず、患者の症状を診断もせず(理解しようとせず)、自分の話したいことだけ話しているようなことがないでしょうか?
聞きながら、聞くふりをしながら、次に自分の話したいことを考えているのです。自分の経験からアドバイスをしたくてウズウズしているのです。
はい。まさに私のことです。。。
病院なら二度と行かなければ済む話かもしれません。しかし人間関係はそうはいきません。よっぽどのことがなければお付き合いは続くことでしょう。
では、相手は私にどんな感情を持っているのでしょう?
この医者を思うように、私のことも信用していないことでしょう。
私が何かアドバイスをしても聞き入れてはくれないし、私の話に理解を示してくれることはないでしょう。
自分を受け入れてもらいたい(理解してもらいたい)ならば、まず相手の話をしっかり聴き、相手をしっかり理解しなければならない。これが第5の習慣『まず理解に徹し、そして理解される』です。