『共感して話を聴いているとき、あなたは相手に心理的な空気を送り込んでいる。』(完訳版 P347 L9)
人は肉体的生存の次に心理的生存を求めます。有名なマズローの欲求5段階説も大きくはこうした括りです。
肉体的生存のために必要な究極なものは空気と言えるでしょう。空気が無ければどんな強人も、ものの数分で死に至ります。
心理的生存とは、理解され、認められ、必要とされ、感謝されること。その為に必要なことの一つが共感による傾聴と言えます。
共感による傾聴により相手を深く理解できたとき、それは相手の心理的生存欲求を満たすことになり、すなわち相手に心理的な空気(生存に絶対必要なもの)を送り込んでいることと同じであると言えるのです。
『聴く』という一見受動的な行動が、人間関係においては空気を送り込むという実は能動的な行動になるのです。
そしてこのように相手の心理的な生存欲求を満たしてあげることによって、初めて相手に影響を与え、問題の解決へと向かえると書籍は説きます。
『聴く』ことが相手への影響力につながる。とても深いページです。